某月某日、自由が丘Bird Song CafeにてのDJプレイリストです。
『 80's UK singles』として 7 & 12 inch かけてみた。フィル・コリンズやデュラン・デュラン等、英国産ヒットとは(ヒットもあるが…)一線を画すもう少しローカルな楽曲中心。
70年代のアメリカンロックどっぷり世代、SSW/カントリーロックなどに入れ込んだが、80年代…ディスコ/ダンス/ヒップホップなどがメインストリームでは聴く物がなかった。ので、個人的嗜好が一気にUK物へと。
『ネオアコ』と呼ばれる括りへかなり惹かれた…ロンドンではなく、英国地方都市からのインディー物にハマった。しかしインディーというにはマイナー感がまったくなく、まずどこもビジュアルがとてもよく出来ていた…かなり「ジャケ買い」気分を刺激される秀逸なモノでしたナ。音もメロディアスな曲が多かったのも惹かれた理由。
1曲を除きすべて UK 盤シングル。
《Thin line between love and hate》12"
- クリッシー・ハインド率いる Pretenders は、どちらかといえば嫌いな部類の女性ロッカーのなかで唯一認める素晴らしいバンド。Poindexter 兄弟による不倫ソングの傑作カヴァー、オリジナルは The Persuaders 。オハイオ州アクロンの出身ながら英国を活動の拠点としたハインド嬢、ティーネイジャーで聴いた母国ブラックチューンが忘れられないということだったか…、オリジナルに負けない名カバーです。プロデュースはもちろん "5th pretender" Chris Thomas 。
《Hold me now》12"
- Thompson Twins の大ヒットだが、かけたのはB面 "let loving start" のほう。A面からメインヴォーカルを抜いていて、より音像がクリアに聴ける。それにしてもこの曲からリズムアレンジ(音像)をイタダいた日本の楽曲がどれだけあったか…。80年代UKを代表する1曲。12インチの両面は、アルバム(=シングル)テイクを extended しまくり、尺は倍以上10分近くある。この長さで Alex Sadkin が作り上げた最高の 80's Sound を聴ける。(注:サドキンは、アメリカ人。マイアミの名スタジオ=クライテリアのテープオペレイターから仕事を始め、アイランド・レコードのクリス・ブラックウェルに認められ、ブラックウェルがあらたに作ったバハマ・ナッソーの Compass Point Studio を任されたが早世した)
《the Flying Pickets》7" EP
- パンキッシュにして過激なアカペラ集団フライング・ピケッツの4曲EPから "Groovin' " を。この夏向け盤は他もラヴィン・スプーンフル "summer in the city" /レターメン "涙のくちづけ" もカヴァー収録。
《Really saying somethin' 》12" John Luongo remix
- Bananarama シングル。ありきたりではなく、モータウン・カヴァーでもレアな The Velvelettes を選曲。バナナラマはこの曲の12インチを2枚出しているがこちらはよりレアなジョン・ロンゴ・リミックスのほう。
Denny_O_Rama
- 当時のUKの流行りだったがジャングル・ビートな1曲で、エキゾチックなパーカッションが満載、これは大きな音で聴かなくては…。
《Walk out to winter》12" extend version
- ロディ・フレイムのワンマンバンドでしょう、Aztec Camera 。これも長尺リミックスで4分ぐらい歌が出てこない。ギターを存分に聴かせようというミックス。なにしろネオアコ界でも一、二のギターテクニシャンのロディだから。
《Come to milton keynes》7"
- The Style Counsil シングルだが、これもB面 "Call me" をかける。この曲が大好きで…。このシングルは、アルバム【Our favorite shop】のジャケがウェラー/タルボットふたりが立った写真であったのに対して、同じカットでふたりがどいている写真ジャケだったのが話題に。ふたりの後ろに隠れていたのがデズモンド・デッカー/マンフレッド・マン…。
《love is ... _Troy Tate》12" dance mix
- ジュリアン・コープが率いた Teardrop Explodes のメンバーでもあったトロイ・テイトは、The Smiths の幻のファーストのプロデューサーとして知られる…か?
- ジャケ同様の沈鬱な、ダーク・トーンのナンバー。しかしボトムが利いてカッコいい。ここでフルートを吹くのが次ぎのヴァージニア。どちらの12インチも同じ Why Fi レーベルから。
《love's a lonely place to be》12"
- 坂本龍一プロデュースもあったのに日本での知名度が低い Virginia Astley 、その傑作デビュー盤から。B面の3曲も最高だ。英国牧歌の天使声歌姫。一家で弦楽四重奏してしまう格調ある音楽ファミリー。姉は元ピート・タウンゼントの妻で、兄の John Astley は WHO 盤でエンジニアを務めていた。
《Sunkissed_Friends Again》12" extended version
- スコットランドのバンド、フレンズ・アゲイン。楽曲の出来といい、演奏能力といい申し分なかったのに売れなかったのが惜しい。爽やか路線のなかでもこの曲がピカ一。
《something on my mind》7"
- ベルギーのクレプスキュールからデビューした The Pale Fountains 。そのデビュー曲は12インチも持っているがこの7インチのジャケの良さよ!
- 来日公演も観に行った。フロントのマイケル・ヘッド…ステージでギターのチューニングばかり気にしていたのには参った^^、昨日ギター始めました?
《The motown song》12" picture disc
- Rod Stewart rock and soul revue 名義盤。オールドタイマーの80年代盤をひとつ…。アルバム【vagabond heart】収録曲だがこれはその remix version 。テンプテーションズをバックに配してロッド熱唱。
《Cry》12" extended version
- これもオールドタイマーか、元10CCの Godley & Creme 。これは 10CC時代に負けない名曲でしょう。楽曲も良ければプロデュースも… Trevor Horn 。一時代を築いたトレヴァーもとにかく好きだった。
《A Solid bond in your heart》7"
- スタイル・カウンシルでもう1曲。7インチがハマったバンドだった。いやウェラー/タルボットのふたりチーム名か。この初期曲ではまだドラマーが固定せずに、オレンジ・ジュースのドラマーが代演。
《ささげもの》7"
- この The Durutti Column シングルのみが英盤でなく日本盤。〝この演奏は、日本に捧げられる。決して忘れられない愛、友情、美と出会ったこの地に〟と記された盤。日本公演でよほど気に入ったんだろう、帰国後に録音した音源をわざわざ日本のみの発売にした。A面:愛の色褪せて/B面:ノリコ
《Trees and Flowers》12"
- ど派手な姿からは想像しにくい音だった Strawberry Switchblade の二人組。なかでもこの曲のノホホンぶりが大のお気に入りでしたワ。アコギはアズテックのロディ・フレイムで、オーボエを吹くのはドリーム・アカデミーの Kate St. John 。
《On a Sunday_Nick Heyward》12" full length
- これは本当にいい曲だ。80年代UKでもとびきりの才能だったと信じているニック・ヘイワード。
《Love plus one》12" a kingsize stereo 45
- そのヘイワードが最初に才能の片鱗を見せたのがこれだった、Haircut One Hundred 。ファンカラティーナ一派とされていたかな? パーカッシヴな傑作!
《mexican bandits》7"
- ネオアコのメジャーか、Cherry Red 盤。Felt のインスト・シングル。単純な繰り返しだが独特の空気感…いいバンドだったな。ジャケも秀逸。
《This affair_The Maisonettes》12"
- 70年代に City Boy のメンバーであった Lol Mason が地元バーミンガムへ戻って結成したメゾネッツは "heartache avenue" の一発屋…だろうか。その曲はYouTube にもアップ映像が多い。ジャケを見てもらう通りにかなり「お洒落」路線で、ピチカートVあたりに大きく影響を与えたように思える。しかしバンドとしては成功せずに、せっかくの制作アルバムは Canada only のリリースだった(個人的には傑作)。
《Break Away》10" remix
- コメディエンヌ Tracey Ullman …歌ってもヒットを連発。PVにポールがカメオ出演したときには皆が驚いた。「トレイシー」が何人も出てきた80年代UKシンガーでは一番の人気者に。曲はジャッキー・デシャノン作で…↓
- "have fun with スクーターズ"
《The Killing moon》 12" all night version
- Echo & The Bunnymen の最高傑作だな、個人的に 80's UK で最も好きなのがコレ。12インチ、なかには冗長なモノもあったが、10分超のこの長尺テイクは比類無き素晴らしさ。後にU2がやったことの先駆けと思う。