ご本尊のファースト・ソロ、やっと入手。
ウェブはするもの。掲示板友(アメリカ在住)の手を介して入手したピート本人のファースト・ソロ。オレにとっては25年ぶりぐらいかな、目にしたこのLPの裏ジャケは、ブラック・レスポールを持ったピートのフォトだと前に記したがちょいと違っていた。ギブソンはギブソンだが
"Custom L-5" というモデルを手にしたそれだった。内袋にはそのギター、それに件のゴールドトップ・レスポールも、アンプがブラックパネル(Rre-CBS)、銀パネルの
Fender Twin Reverb, Bassman など。すべてピートの使用機材だろう。 内容はといえばほぼ想像通り、苦手なギター弾きまくり大会…ではあるが、曲の粒はセカンド『Multiple Flash』よりもそろっている。前述ジャック・テンプチンのソロはピートのプロデュース作品、それとこのファースト・ソロは印象が近い。全編のバックトラックの音が似ているのだ。なんといってもストリング・シンセがなぁ、この時代の感じしまくり。フュージョンなんて言葉もよぎるし、当時のTV番組「傷だらけの天使」とか「探偵物語」のサントラみたいにも聴こえたりして。ならばピートはショーグンの芳野藤丸、ウォーターバンドの井上尭之と変わらないってことか? 表ジャケは顔が9連発。モミアゲこそ長いがヒゲが無いのが当時の南部ミュージシャンには珍しい。そのせいか結構若く見えて、なにやら10CCのエリック・スチュワート似。 (蛇足/スペシャル・サンクスに Jerry Wexler の名あり)
Pete Carr goes to New York....
わずか400円、それでも買うンじゃなかった、この盤…。“昔の名前で出てい〜ます”これにつきる。ここにはライヴのダイナミズムも高揚感も無し。50万人が集まったというから半数が買っても25万枚はさばける勘定だな、そう、実際に観た人間のみが買えばいい、そんなアルバム。そして10年に一度ぐらい「そうそう、ここにオレ居たっけなぁ」としみじみしてな、かね…。 前19曲中ピートがエレキを弾くのは4曲だけかな、ほとんどアコ。ギターは3本、レコードでの音位置/定位は、センターにポール・サイモン、左に
David Brown (ビリー・ジョエルのバックらしい) で右がピート・カー。エレキはDavid Brown に任せている。唯一「コダクローム」とのメドレーで演奏された
"Maybelline" でエレキのリード・プレイが聴けるだけ。これもつまらん。 このなんともトホホなアルバム、いやライヴ・ステージへのピートの参加はもちろんアート/ポールの両アルバムにマッスル・セッションが多かったためだろう。だから急場の仕込みのために、コードを覚えているだろうピートならばってことでNYまで呼ばれたのかもなぁ。ギャラ的には「オイシイ」仕事だったろうが、やっぱりアート・ガーファンクルのマッスル録音同様で光るところがまったくない…。
******** えーと、2月以来の更新ですか。ひっさしぶりに入手のピート・カー物LPは Great Texan, ボズ・スキャッグス。
このソロ3作目は全11曲、うち5曲が第二の故郷というべきシスコ録音、残り6曲がマッスル録音となってる。シスコ曲はシスコ・ロックであり、マッスル曲はまったくのサザン・フィーリング。それをねらっての録り分けとはいえ見事に音に出るのがこの人のいいところ。 そして本題のピート・カーだが、72年のアルバムなのでまだまだ本領発揮の時期ではないとさほど期待していなかったがどうしてどうして、かなりオフ気味で音は小さいけれど、いいギター弾いてますがな。とりわけアルバムトップ
"Dinah Flo" とラスト "My Time" では完璧に近いフレーズを。リードでも取る曲あったらAにしたところ。 笑っちゃうくらいにまんまのアル・グリーン・カヴァー(なのにシスコ録り)、アラン・トゥーサン曲らしいニューオリンズ・ビート…他人曲4曲含むが全体的に楽曲は粒ぞろい、かなりイケてる盤。但しオレのようなマッスル・フリークにはよくても一般受けとなると…。そこは本人が一番痛感していたんだろうね、シスコ、アラバマ、そしてロスと流れてやっと金脈を掘り当てた。それもいいやね。 蛇足だが、マッスル・サイドではそれらしい音が聴こえてこないボズのギター、対しシスコ・サイドのクレジットでギターはボズのみ。ノリノリのシスコ・ロックは母屋だった
Steve Miller Bandそっくりだが、別曲でギターが4本くらい重なる曲がある。全てボズによるオーバーダブだろうか、だとしたら上手い。 ******** このサイトの熱心な読者(?)、京都の田口さんにまずは深謝。捜していた音を提供頂いた。ただしその内容は…とにかくこのLPについて…。
長年の朋友レニー・ルブランと組んで、77年に出したLP『Midnight Light』からのシングル
"Falling" が思わぬヒットとなったピート、その勢いままにもう一枚アルバムを出していたことは、業界御用達サイト=AMGのリストチェックで知っていた。それがこれ、78年3月18日NYはアトランティック・スタジオでのライヴ盤。所属の
Big Tree がアトランティック傘下だからだね。 全米トップ20入りのヒットが出たとなれば、Big Treeレーベルとしてもイングランド・ダン&ジョン・フォードに続けととばかりに躍起になったことだろう。ならばてっとり早いのはライヴ盤で再プッシュだ。ところがルブランもカーもスタジオ・ミュージシャン、ライヴ経験はあっても感が鈍っている。そこで考えたのが親会社のスタジオでのライヴ、客といってもほぼ身内、これならば何とでもなろうというもの。いわば公開リハで、上手くまとまればツアーも考えようといったところがこのアルバムの顛末とオレは想像した。 さて、ピート不参加といえども「ルブラン&カー」の名前無くしては何の意味もないので当然のようにこの名義と相成った。のみならずルブラン/カー組となれば前に記したとおり
Roger Clark(drum), Randy McCormick(keyboard) の名前が挙がるはずがそれもなし。ようはルブランをトップに立てただけの“やっつけ”編成バンド。よって音は推して知るべし…。南部のバーをサーキットしていたトップ40バンド以外の何者でもありませんよ、こりゃ。 収録曲中 "Rainy" "Looking for a Love"
の2曲は『Midnight Light』にもピート/ルブランのソロにも未収録のルブラン曲、重箱フリークにはそれだけが目新しいところか。 * 田口さんからはルブランのセカンド『Breakthrough』( '80 Capitol) の音も頂いたが、感謝しつつ内容はこちらもまたトホホの極み。
***** ふと立ち寄ったレコ屋でピート物を2枚入手。
全10曲、6曲がアトランタ録音、残り4曲はマッスル録音とタイトルどおりにサザーン・トラックが並ぶLP。とはいえ、南部らしい骨っぽい曲は少ない。この人、AORブームの中で "Cool Night" という曲で一発当てた人だよね(日本のレコード会社の仕込みだっただけの話かもしれないが)。ここでの「ファンタジー」のタイトルもなんだかAOR的なニュアンスなのか、あわよくば当てたいという下世話な欲がどーもオレには見えてしまうなぁ。ルックス的には難あり?チャーリー・ダニエルズを彷彿。 まあ欲があろうとなかろうと曲さえ良ければなんでもよいのだが、魅力無さすぎ。多少イケるのが "Medicine
Woman" という曲で一番AOR的かな、ピーボ・ブライスンをバック・コーラスに配してお洒落(?)に迫る。だが、曲調は ACE の
"How Long" に似すぎかもな。
前に書いた通りピート・カーに関する貴重盤としてぜひ入手したいと思っていたのがこのLP。簡単には手に入らないと思っていたが何のことはない、ふと立ち寄った新宿ユニオンの中古箱に800円で納まっていた。 一聴では期待が大きかったせいか、肩すかしを喰った印象だったが二度三度聴くうちに悪くないな、と。とはいえ、そこそこ…名盤にはほど遠い出来。いかにも南部といったゴスペルっぽい曲からもろソフトロック(ピート曲、ストリングス&ハーモニー・ヴォーカルはまるでジム・ウェッブのよう)まで。 前記74年の傑作、パーシー・スレッジ『I'll be your everything』にはピートとコート・ピケットの共作曲 "Make it good, make it last" という素晴らしいバラッドが収録されていた。てっきりこのセイルキャット・アルバムからのカヴァーと思っていたら、未収録。ピートとコートはソングライティング・パートナーとして他にも曲があるのかもしれない。 さて、本筋ピートのギターは、John Wyker 自身がギタリストということがあるのかも、これまたまあまあ…あまり弾いていない。しかし興味深いことが。A-1
"Rainbow Road" のラスト、フェイドアウトしていく Twin Lead Guitar のフレーズがまんまロッド『Atlantic
Crossing』曲、 "All in the name of Rock'n' Roll" のラストと重なる、同じでありました。
ステイプルズ "I'll take you there" は72年の全米1位曲。3年前に買ったライノのコンピCDのライナーにはこの曲マッスル録音とあった。なるほど、レゲェアレンジは当時のポール・サイモンのマッスル録音を彷彿させる。AMGサイトのピート・カー・セッションリストには出ていないが Mavis Staples のソロにもマッスル物(ピート参加)あり、ちょい高値でパスした盤…。 ステイプルズといえばまずこの1曲 "Respect Yourself" 。"I'll
take... " も収録されているアルバム『Be Altitude: Respect Yourself』が、ポップ・ステイプルズのシングル1曲をボーナスに日本盤CD化、買ってみた。 アルバム最後曲 "Who" 、あのジェフ・バリーとボビー“モンテゴベイ”ブルームの共作。ライナーを読むとステイプルズ初のR&Bトップ10ヒットもこのコンピのペンだとか。ティーニー・ポップのど真ん中から時代変われば人も変わる? ごっついゴスペルな歌詞曲を書いてます。 クレジット上は Rhythm recorded At Muscle Shoals Sound Studios
のみ、参加メンバーの詳細なし。さて、最初に "I'll take.... " を聴いた時にはこりゃピートのギターだわいと思えたのに今CD通して聴くと怪しくなってきた。お父っつぁんポップ自身がギタリストなのでジミー・ジョンソン、ピートと三つ巴だ(薄〜い音のオブリはピートじゃないかと…)。まてよ、72年のスタックスならばクロッパー兄さんやら
Reggie Young の絡みだってありかも。このグループのアルバム全てを聴き通せば解決するかもしれないが…、まあそこまでは追えぬ。
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